沖縄黒人街ツアー型作品『風と朝と夜。』について




『風と朝と夜。』
沖縄黒人街ツアー型作品  コザ地域の照屋公園、黒人街廃墟をめぐる旅
(2013.8.18 / 8.25  コザ銀天街、黒人街、黒人街廃墟、照屋公園/沖縄)

アサヒ・アート・フェスティバル コザクロッシング2013 ターミナルライフ出品作


 


 

 『コザクロッシング2013 ターミナルライフ』の参加アーティストとして、
沖縄市コザに1か月間レジデンス(滞在制作)し、作品を発表。

沖縄の歴史深い場所、コザ黒人街の現在と歴史をリサーチし、ツアー型 パフォーマンス作品を発表。

会場を移動しながら、街の景色とパフォーマンスを味わってもらうツアー型プログラム

照屋に住んでいたおばぁが黒人街の歴史を語りながら ガイドを担当。
第一会場の照屋公園では、演者の身体を通して、子供 の声や風、環境音の増幅を試みるパフォーマンス。 第二会場の黒人街廃墟では、ツアー参加観客として紛れていた地元の人が出演者として舞台に上がること で、観客一人一人の物語であることを想起させる。



沖縄の歴史深い場所、コザ黒人街廃墟を舞台美術とし、
おばぁ、琉球舞踊家、トランペット奏者、 絵描き、妊婦など、沖縄在住の現地の異なった背景を持つ女性たち約10名の女性出演者に、身体ワークショップを行い出演して頂いた。

黒人に身体を売っていた女性たちの思いが渦巻いてい たであろう「場」に、生身の女性の身体を配置し、それぞれの物語を紡ぐことで、その「場」の持つ意味の 再解釈を試みた。




■ツアーの道のり



①総合案内所<銀天大学>

総合案内所<銀天大学>から会場に向かう道の様子。
会場に向かう道で、『風と朝と夜。』の出演者でもある照屋に住んでいたかまどおばぁが古き良き黒人街の歴史をお話しながらガイドを担当。
いままで共にツアーしていた人たちが第二会場では出演者として舞台に上がる。









『風と朝と夜。』 第一会場<沖縄市照屋公園にてパフォーマンス>
http://apiece7works.blogspot.jp/p/blog-page_16.html





『風と朝と夜。』 第二会場<黒人街廃墟にてパフォーマンス>



■創作<未満>ノート


人間の生活の営みが途絶えた「場」は、その「場」で 新しい物語を上書きする人々に対して、無言で何かを 教えて教えてくれる。 積み重ねられて複雑になっている沖縄の歴史は、人間 の営みが途絶えた「場」に化石化している。 そこに、観客と出演者共にそれぞれ違う物語を紡ぎ、 「場」の持つ意味の再解釈を身体を通じて探る試み。 すべてが決して交わることはないが、そこに立ち現れ る全ての出来事を共有し昇華していく様を、静かに見 つめる作品。

沖縄県沖縄市照屋のコザ地域の街中で作品を展示したいと考え、まず は地域の人たちへの取材と歴史文献を読むのに一週間を費やした。 歴史を調べれば調べるほど、東京生まれ東京育ちの私は、どうしても リアリティを持てなかったので、まず展示会場を探すため、町を散歩 することにした。 照屋にある黒人街を散策中、建物と建物の間の細い路地の奥にある黒 人街の廃墟をみつける。当時のままの建物と看板が歴史の痛手を感じ させるが、それを溶かすかのように植物が元気に咲いていて、自分の 存在さえ受け入れ包み込んでくれている安心感があった。 黒人街から数分歩いたところにある照屋公園では、子供たちがエイ サーの練習をしていた。生き生きとした声に耳を傾けると、普段意識 しない他の環境音も比例して大きくクリアに聞こえた。その場にただ 身を任せると、なぜか安心し自分自身の歴史と向き合う時間になった。
このときの私の感覚を住んでいる人たちと共有したい、 「場」の要素を拡張し紹介したい、と思い体験型のパフォーマンス作品にしようと決めた。観客は 主に、黒人街の歴史を知らずに住んでいる世代の地元の人たち。観客一人一人の「場」に対する個人的な記憶を通して、自分自身の歴史と向き合う時間 を過ごしてもらうための時間を創作しようと考えた。 以前、パフォーマンス・アーティストがこの街で作品を発表したことがあったが、照屋にとって黒人街が歴史的な場所のため、地域の人から非難があっ たようだ。私のプロジェクト案も当初は、企画者から黒人街での作品発表を反対された。どうしてもこの場所と対話しながら作品制作したくて、地元で 出会った池原えりこさんに相談をする。彼女は、照屋で黒人ハーフとして生まれ、バークレー大学で照屋黒人街を研究し、まちの人の記憶と物語を収集 している数少ない人物。 『研究家として活動してるけど、研究じゃない。私は歴史の一部なの。他人事じゃないのよ。照屋はボーダレス。ここは本気で流れ着いた人は誰でも受け 入れる土壌の大きい場所。あなたの生きている証を100%紡いでくれたら、この場所は生き返る。信じるわ。』 と言って、企画者に押してくれ、プロジェ クトの開催が決まった。





■チラシ

日時:
8月18日(日)
17時30分 銀天大学 集合
18時15分 照屋公園 にて開演(途中で黒人街廃墟に移動)

8月25日(日)
17時30分 銀天大学 集合
18時15分 照屋公園 にて開演(途中で黒人街廃墟に移動)

※ 場所移動で街の景色なども味わって頂くプログラムです。
銀天大学から照屋公園まで向かう道で、かまどおばぁが黒人街の歴史をお話しながらガイドしてくれます。



■当日パンフレット記載内容



作品コメントとお楽しみ頂くために


 17時30分 銀天大学集合

 ※かまどおばぁの話を聞きながら町歩きをお楽しみください。

 18時15分 照屋公園パフォーマンス

 ここに私が初めて出会ったとき、ここはエイサーの練習場所でした。

そこには今を生きる人たちがいました。

 ※べストポジジョンは丘の上ですが、好きに動いてみてもらってOKです。
子供の声や風、環境音など、この場所の空気を感じてご鑑賞ください。

※終了後、集合がかかるので、ガイドの指示に従って、第2会場に移動ください。


18時40分頃 黒人街パフォーマンス

 この場と東京育ち東京生まれの尾花が初対面したときの感覚を再現することで、場を感じてもらえるような身体&空間作品。五感をフルに使って、お楽しみください。あたりまえとおもっている『今』をみつめるキッカケとなれば幸いです。


私ができることは、
今を生きることだけ。
今を感じて、過去を感じて。


※ガイドにの指示に従って、ご鑑賞ください。





ラジオにゲスト出演。

地方ラジオFMコザの番組『いざ!コザ!』にゲスト出演しました。
「なぜ黒人街でパフォーマンス作品を発表するのか?」 という問いかけにフリートーク。


 当日のUstream配信された録画映像は以下からご覧頂けます。http://www.ustream.tv/recorded/37329487


↑地方ラジオFMコザの番組『いざ!コザ!』収録風景




■沖縄レジデンス中に制作したその他の作品はこちら→
http://apiece7works.blogspot.jp/p/b-81717-music-dj-httpapiece7.html




『AAF2013報告会』に参加。

写真はその作品と活動の様子を話している様子。











当日のUstream配信された録画映像は以下からご覧頂けます。
http://m.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Fwww.ustream.tv%2Fchannel%2Faaf2013&h=iAQEUQVkR&s=1








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